先日、患者のMさんからこう問われた。
「6月病ってあるの?」
聞くところによるとMさんは、当院に来る前に頭痛と体調不良で内科を受診したとのこと。
その時先生から「これは6月病ですね。」と言われたという。
私も初耳だったので、
「5月病のような症状だけど、今は6月だから先生がジョーク交じりにそう言ったんじゃないの?」
と返した。
しかし気になったのでネットで調べてみると、ちゃんと6月病という病気があるではないか。
さらに驚くことに、1月から12月までそれぞれ病名が存在しているのだ。
とは言っても、その症状のほとんどがそれぞれの時期の気候や社会環境により引き起こされるメンタル不調なのだ。
つまりほぼ同じ症状なのに、時期が違うことで勝手に新しい病気として発表する人たちがいるということだ。
これは私に言わせれば「いったもの勝ち病名」である。
鍼灸の世界にも同じことがある。
一般的に認められている経穴以外に、勝手に新しい経穴だと名前をつけて発表する人たちがいる。
それらは阿是穴(名前の無いツボ)なのであろうが、それをさも自分が発見した新しい経穴だとして名前をつけてしまうのだ。
これらを認めだしたらきりがない。
困ったものである。
それはともかく、確かに季節の変わり目には体調に不調きたす人が多くなる。
特に今の季節は暑熱順化(体が暑さに慣れること)がうまくいかず、熱中症のような症状を呈する人も増えてくる。
事実、8月よりも6月の方が熱中症で救急搬送される患者が多いらしい。(ちなみに1位は7月)
湿度が高くなる梅雨時は要注意である。
これから蒸し暑い名古屋の夏がやってくるかと思うとメッチャ憂鬱だ。