脳内麻薬オピオイド

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鍼灸の効果を科学的に説明することは、まだ完全にはできていない。

東洋医学の気の概念で論ずれば問題は無いのだが、まったくもって科学的な説明にはならない。

なので、理由はわからないけれども、千年以上もの間、経験上効果があるものとして認められているという経験医学の話をするしかなかった。

しかし近年、大学などの研究によって、鍼灸施術をすることにより脳内に一種の麻薬のような成分であるオピオイドが放出され、それが鎮痛効果やリラックス効果を促していることがわかってきた。

一般の方に鍼灸の効果について説明するにあたり、科学的に説明できるようになることは本当にありがたい。

しかしまだ疑問もある。

ツボに刺激をあたえることにより、脳内麻薬オピオイドが放出されることはわかるのだが、それならばどのツボを選んでも同じ効果になってしまうのではないだろうか。

ツボにはそれぞれ効果が違うからこそ300以上の経穴が認められているのではないだろうか。

どのツボをチョイスしても同じような効果が得られるのならば、必死になってあんなにたくさんのツボの名前と場所を覚えなくてもよかったのに。

しかし、現代科学ではまだ解明されていないだけで、本当に「気」というものは存在するのだろうと思う。

ゆくゆくはすごい研究者の先生たちが「気」の存在を証明してくれる日が来るかもしれない。

そうなれば堂々と鍼灸の効果について科学的に説明することができる。

とても待ち遠しい。

しかしそうなったら、鍼灸師はお払い箱になったりして…え?