ファシアについて

 

院長イラスト

ファシアとは、筋肉、臓器、血管、靭帯など人体を構成するすべてのものを覆う膜の総称であり、「筋膜リリース」で一時話題になった筋膜もファシアの一つである。

ファシアは全身をボディスーツのように覆う網目状の組織で、互いに引っ張り合い、伸びたり縮んだりしながらバランスを保っている。

この引っ張り合う力のバランスが崩れてくると、隣り合う組織との間で摩擦が起こり痛みを感じることとなる。

癒着が起こる原因として、運動不足、精神的ストレス、長時間の同一姿勢、猫背などの悪い姿勢などがあげられる。

ファシアには痛みを感じるセンサーがあり、異常が生じると癒着が生じている場所だけではなく、トリガーポイントと呼ばれる場所にも痛みを感じるようになる。

つまりボディスーツの一部を引っ張ると、離れたところも圧迫されるようなイメージである。

その治療としては、癒着しているファシアを押したり、揉んだり、撫でさすったりすることでファシアの癒着がほぐれて元の良い状態になるということである。

ちょっと待て。

これらのことって完全に鍼灸マッサージで行っているコリや痛みに対する施術のことではないか?

また、コリや痛みの原因として運動不足や精神的ストレスをあげたり、痛みを感じている所だけではなく、違うところにも原因が隠れていると説明することは、我々鍼灸マッサージ師が説明していることとまったく同じである。

今までコリや痛みの原因を説明するときに「この筋肉が・・・」とか「ここの血流が悪くなっていて・・・」とか説明していたが、それではなんとなく説明しつくせない感じがあり、自分としても腑に落ちないこともあった。

しかしファシアが原因であるとすると、とてもわかりやすい。

これからもファシアの研究に注目していきたい。