首や肩の凝りと共に、めまいの症状を訴えてくる患者さんも多い。
それらの場合、首、肩、頭への鍼灸施術やマッサージなどで割と簡単によくなることも多い。
しかし中には病名が付けられるほどの症状の方もいる。
脳出血や脳梗塞などの重い病気が原因の場合は論外だが、メニエール病という内耳全体が水膨れ状態になってしまう病気も厄介である。
その中でも病名が付くめまいの約4割を占めるのが、良性発作性頭位めまい症である。
良性発作性頭位めまい症
内耳は蝸牛、耳石器、三半規管からなっている。
通常耳石の傾きや三半規管の中のリンパ液の動きで身体の傾きを感知しているのだが、
耳石器から耳石がはがれ三半規管に入り込むと、頭を動かしていなくてもリンパ液が動いてしまい、脳は頭を動かしていると認識してしまう。
そうしてめまいとして感じてしまうのだ。
その原因としては、頭部への強い衝撃で耳石がはがれてしまうことももちろんあるが、
40代以降の女性に多い原因としては骨粗しょう症があげられる。
耳石はカルシウムでできているため、骨粗しょう症になり耳石がもろくなるとはがれやすくなってしまうのだ。
だから根本的に治療するためには骨粗しょう症の治療も必要である。
良性発作性頭位めまい症の治療
三半規管に入った耳石は2週間~1ヶ月ほどで排出されるか細かくなって消失してしまう。
とは言っても一刻でも早くめまいから抜け出したい。
そのためには首、肩の血流をよくするための鍼灸マッサージ施術に加え、ご自身で寝返り体操を行っていただきたい。
寝返り体操とは、横になり右向き10秒~正面10秒~左向き10秒~正面10秒を1日10回ほどやってもらう。
そうして耳石の排出を促すのだ。
ああ、めまいとは本当に厄介なものである。