「今!」
現在、世界最高齢者である田中カ子さん(116歳)が世界一認定のインタビューで、今まで生きてきた中でいつの時代が一番良かったかと尋ねられ時、大きくはっきりした声でこう答えた。
「今!」
なんと素敵な答えではないだろうか。
普通なら116年の人生の中での幸せな出来事を答えそうなものなのに。
また、喜劇王チャールズ・チャップリンがある記者に「あなたが関わった作品の中で最高傑作はなんですか?」と聞かれ、
「NEXT ONE! (次回作さ!)」と答えたというエピソードがある。
これも感動的な言葉だ。
いつでも明るい未来が訪れるはずだと信じている人の方が元気で若々しい。
この気持ちはいつでも持っていたい。
古き良き時代
逆に私が嫌いな言葉がある。
それは「古き良き時代」。
これは個人のノスタルジーの話なのか、それとも誰もが思う普遍的な時代の話なのか。
個人的な話であれば、大正、昭和、平成各世代で見解は異なるだろう。
またその人ごとの人生の中で異なるのは当然の話である。
しかし、映画やTVドラマなどで使われる場合は普遍的な時代を指していることがほとんである。
アメリカ映画だったら西部劇の時代だったり、日本映画だったら戦前や昭和30年代を描いた作品に多く使われているように思う。
本当にそうだろうか。
私個人の感想で言えば、子供のころよりもはるかに生活は便利になり、娯楽や食べ物などもずっと豊富になっている。
ぜんぜん昔の方がいいとは思わない。
当然のことながら肉体はどんどん老化し、以前よりも気力も体力も衰えていることは間違いない。
しかし未来への期待はますます高まり「感情の老化」なんて考えられない。
だって明日にはまたおもしろいことに出会えるかもしれないじゃないか。
もし私が「いつの時代が一番良かったか」と尋ねられたらこう答えたい。
「次の時代!」