肉体の老化と感情の老化

肉体の老化

よく患者様が症状の原因を訴えたり、回復の度合いが悪いことを訴えるときに、

「若い時はこんなこと無かったんですけどねえ。」とおっしゃる。

そりゃそうだろう。

それが老化現象というものだ。

こういうことは典型的な老化現象なので、きちんと身体のケアをしたり、これ以上悪くならないようにメンテナンスすることが大事である。

肉体の老化は仕方がない面もあるが、心まで年老いてはいけない。

身体の老化は認めつつも、心はいつまでも若く保たなければならない。

感情の老化

問題なのは感情の老化である。

「あまり感動することが無くなった」「好奇心が減った」「新しいことを始めることが億劫になった」などが感情の老化と言われるものである。

医学的には男性ホルモン(テストステロン)や幸福ホルモン(セロトニン)の減少も原因とされているが、

それよりも自分自身で自発性や意欲を失くしてしまうことが最も問題なのではないかと思う。

以前「最近のテレビは同じような番組ばかりでつまらなくなった。」と言っていた方があった。

そんなはずはないだろう。

チャンネル数はめちゃくちゃ増え(地上波、BS,CS、ネット専門など)、番組だって多岐にわたっている。

その方が同じようなジャンルの番組ばかり見ているから、そう思うだけなのだ。

また、昔の映画は良かったとか、昔のテレビ番組はもっとおもしろかったという方もいるが、

それは自分の心が今よりも若く、感受性が高かった時のことを懐かしんでいるだけなのだ。

いろいろな映画や番組を見て欲しい。

今でも面白いものはいっぱいある。

本当は、運動をして筋肉を鍛えたり、いろいろな人と関わって新しい刺激を得ることが最も大切なことなのである。

しかし、そういうことが苦手な人も多い。

そうであるなら簡単なことから始めればいい。

今まで見たことが無かったジャンルの映画やテレビ番組を見てみるのもいい。

食べたことのないものを食べてみるのもいい。

聴いたことのない音楽を聴いてみるのもいい。

とにかく今までやったことのないことにチャレンジしてみると、意外にも心が動くこと(感動すること)があるかもしれないじゃないか。

LET’S TRY!

ただこれだけは禁じて欲しい。

それは自分自身を年寄り扱いすることだ。

自分のことを「おじいさんだから・・・」「おばあさんだから・・・」と言っている人を見ると、同年代の人に比べて本当に年寄りっぽいのだ。

自分から老人になる必要はない。

人生100年時代。

肉体の老化には注意を払いながらも、心だけはいつまでも若く保とう。