熱中症・・・じゃない?

院長イラスト

その日は熱中症警戒アラートが発令されるぐらいのうだるような暑さだった。

仕事の方も結構忙しく、午後からは休憩をとることもできなかった。

また、かなりのパワーを必要とするヘビーな患者さんも何人かいらっしゃったため、汗をかいた量も多く、疲労困憊していたのは確かだった。

そのため、こまめに水分補給を行い脱水症状にならないように気をつけていた。

なんとか閉院時間までは問題なく仕事を終えることができた。

しかし、その後いろいろな症状がどっと襲いかかってきた。

得も言われぬ倦怠感。

特に下半身のだるさが半端なく、じっとしていられないほどだった。

酸っぱい胃液を伴ったようなげっぷと、それに伴った食欲不振。

夕食を食べる気になれなかったが、それではいけないと思い、なんとか胃に詰め込んだ。

しかしその後は、もう起きているのもしんどくてとにかく横になって身体を休めていた。

一番に熱中症を疑ったのだが、仕事場は汗はかくけどそれなりに涼しいし、こまめに水分補給もしていたので、そんなはずはないと思っていた。

早めに入浴し、さっさと寝るのが一番だと思い、湯船に浸かった。

その時わかった。

いつもだったら暑い夏には、うっとうしいほど熱く感じるお湯が全然熱くないのだ。

むしろ追い炊きしたくなるぐらい寒いのだ。

そうこれは熱中症ではなく、冷房病からくる自律神経失調症だったに違いない。

振り返って考えてみると、汗をかいた体は冷房で冷やされ、こまめな水分補給と思って、冷たいお茶をがぶ飲みしていたことにより胃腸も冷え切っていたのであろう。

暖かい湯にじっくり浸かり、早めに床についた。

翌朝元気を回復した。

熱中症対策ばかりに気を取られがちだが、冷やしすぎにも気を付けるべきとのいい教訓になった。