「肩こりの無い人ってかわいそうですね。」
この仕事に就いて40年近くになるが、こんなことをいう人に出会ったのは初めてだった。
普通は肩こりの無い人がうらやましいという人がほとんど、いや全員そうだったので最初は言い間違えかと思った。
しかしよく聞いてみると、
「私は肩こりがあるから、コリをほぐしてもらう心地よさがわかるけど、肩こりの無い人はこの心地よさがわからないのよね。」とおっしゃるのだ。
こんなポジティブな考えの人に出会ったのは初めてだった。
辛いことも逆から見れば、それを克服していく嬉しさがあるということなのだろう。
世の中にはこんな前向きな考えの方もいるなだなあと感心した。
これからは自分でもこういうポジティブシンキングでいこうと思ったが、
そもそも人間ができていないので、嫌なものは嫌、辛いものは辛いのである。
毎日必ず3回食事をとらなければいけない
物事を臨機応変に対応できない人もいる。
体調不良で来院してくださった方なのだが、その原因は胃の調子が悪い状態が続いていることからきているようだった。
軽いものや柔らかいものを食べても食後に胃が痛むという。
それならば一度食事を抜いて、胃を休ませたらどうかとアドバイスしたところ、
「毎日必ず3回食事をとらなければいけないのではないのですか?」と訊かれた。
その方の中には食事を抜くという選択肢はまったく無かったようで、私の提案にとても驚いていた。
毎日のルーティンを守ることも大事だろうが、体調に合わせて臨機応変に生活を変えることも考えて欲しいと思った。
いろいろな考え方の人がいるものである。