我々の身体の中も周りもさして影響のない雑菌だらけだ

院長イラスト

口腔洗浄剤のコマーシャルでこんなことを言っていた。

「口の中には手のひらの40万倍以上の菌がいます」

確かにそれは嘘ではないだろう。

しかしコマーシャルを見た一般の人々は、これを聞いて驚き何とかしなければいけないと思うのではないだろうか。

企業側としてはそうやって恐怖をあおり、商品を売ろうという魂胆なのだ。

よく考えてほしい。

放っておいて大変な目にあった人がどれだけいるのだろうか。

口臭予防や虫歯予防の観点からみればまったくもって正しいことなのだが、

このコマーシャルには今のコロナ禍における人々の恐怖心を利用しているのが透けて見える。

腸内フローラ

腸内フローラという言葉がある。

我々の腸内には多くの腸内細菌が住み着いていて、それを顕微鏡で覗くとまるでお花畑のように見えることからそう呼ばれている。

そこに住む菌には3種類ある。

体に良い働きをする「善玉菌」、悪い働きをする「悪玉菌」、そのどちらにも属さない「日和見菌」だ。

(日和見菌は善玉菌と悪玉菌の優勢な方につく。だから日和見とよばれる。)

つまり菌といえども体に悪い働きをする「悪玉菌」ばかりではなく、体を守ってくれている「善玉菌」もいるということだ。

だからなんでもかんでも菌だからやっつければいいってものではない。

オキシドール

以前は転んでケガをするとまずオキシドールで消毒をし、赤チンなどを塗ったものだ。

しかし今は丁寧に水洗いした後にしっかりとパックする治療法に代わっている。

それはむやみに消毒をしてしまうと体に良い菌や体の免疫作用まで殺してしまうからだ。

結論

つまり我々の体の中には良い影響を与える菌はいっぱいいるし、体の周りにもさほど影響を与えることのない菌が多いのである。

数字ばかりに驚いて神経質になるのではなく、本当に必要な対処方法を冷静に考えてみよう。